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Jリーグ 3日前

「戦えない選手は置いていく」ヴィッセル神戸、武藤嘉紀が心を鬼にして苦言を呈する理由。「何度も言ってきたのに」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

ラストワンチャンス…。武藤がゴールを確信した瞬間とは

 大迫も絶対に下を向かない。ようやくアディショナルタイムが、しかも「13分」と表示された直後の100分に獲得したCK。右からMF扇原貴宏が放ったクロスに、大迫がバックヘッドの形で頭をヒットさせる。柏の守護神・松本健太が一歩も動けないシュートは、無情にも右ポストに弾かれた。

 その流れで再び獲得した右CK。相手がはね返したボールに反応したDF酒井高徳が、浮き球のパスを柏ゴール前へ供給する。これを大迫が頭で落とし、DF広瀬陸斗がダイレクトシュート。松本がセーブしたこぼれ球をDF立田悠悟がクリアするも、DFマテウス・トゥーレルに当たって左側へこぼれた。

 ピッチに弾むボールの先にいた武藤は「自分のところにこぼれてきてくれ、とずっと思っていました」と明かす。しかし、思いが通じても決して焦らない。冷静沈着に思考回路を作動させた。

「正直、ラストワンチャンスがくるかこないか、なかなか信じきれていなかった自分もいたなかで、みんながつないでくれたボールが最後にこぼれてきた。必ず決めなきゃいけないという気持ちと、自分自身、最近はああいう場面で少し慌ててしまって、外してしまうとか、キーパーに止められてしまうシュートが多かったし、何よりもボールがあまりにも急にこぼれてきたなかで、自分の体勢もすごく悪かったので」

 とっさに選択したのは左足でのトラップ。武藤は「あれで決まった感じです」とこう続けた。

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