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Jリーグ 3日前

「人生がかかっているなと…」松本山雅、安永玲央には最後まで自信があった。脳裏に焼きついた父・聡太郎の言葉とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「みんなで集まった時に…」

「先に失点しちゃったんですけど、みんなで集まった時に誰も焦っていなかった。1点取れる自信もあったから、焦って点を取りに行くよりも、まず失点を重ねないようにしようと意思統一を図りました」

 そうやって落ち着いた状態で戦い続けられたのも、リーグ戦終盤5連勝の成果に他ならない。「プレーオフは勢いが大事」というのは鉄則だが、今の山雅にはそれがある。前節のゴールで弾みをつけた安永も自信を失うことなくプレー。武器であるボール奪取力や運動量を全面に押し出し、時には遠目からのシュートも放った。

 前半のデータでは福島を下回ったものの、彼の中では「まだまだイケる」というマインドがあったという。

 後半に入ると、熱狂的サポーターの陣取るゴール側に攻めていく山雅はより一層、ギアを上げていった。サイドを攻略し、クロスを中に入れる回数も増加。武器であるリスタートも数多く得るようになる。

 その流れを形にしたのが、65分のシーン。キャプテンマークを巻く菊井悠介の右CKにファーサイドで反応した野々村鷹人がヘッド。これを相手DFがゴールラインギリギリのところで弾き出し、最後は高橋祥平が蹴り込んだが、結局は野々村のゴールと認定された。

 いずれにしても、値千金の同点弾が生まれたのは紛れもない事実。高橋がゴール裏に走って歓喜を爆発させるところに、安永も歩み寄り、ガッチリと抱擁を交わす。「メチャメチャ嬉しかったですね」と背番号「46」は本音を吐露した。

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