普段はあまり寄こさない。父からのメッセージとは
「チームのバランスを重視して自分のエゴを押し殺しながらプレーしていた時期もありました。でも自分の特徴が出せれば、エゴが出てもチームを助けられるなら、それでいいんじゃないかと気づいた」と本人もいい意味で割り切った。
そうして放った沼津戦の豪快なミドル弾が山雅を4位に押し上げた。その目覚ましい仕事によって彼は大きな自信を得たのだ。
迎えた福島戦。上位クラブは引き分けOKというアドバンテージがあるものの、難しい一戦なのは間違いない。父は普段、あまり連絡を寄こさないというが、今回は「沼津戦はボールを受ける前の自分の背後の認知と動き直したところはよかった。(プレーオフに向けては)こういう試合こそ楽しめるように」とメッセージが届き、安永は改めてその言葉を脳裏に焼き付け、スタメンとしてピッチに立った。
パス回しに秀でた福島にボールを支配されると予想されたこの試合。だが、序盤の山雅は前へ前へという意欲を押し出し、悪くないスタートを切ったように思われた。
そんな中で迎えた開始10分、福島は左サイドに陣取る快足FW森晃太が鋭い突破からのクロスを入れ、飛び込んだベテラン・樋口寛規が左足を一閃。早々と先制に成功する。クロス対応は今季における山雅の課題の1つだったが、大一番で犯してはいけないミスをして、ビハインドを背負うことになった。
安永は冷静に振り返る。