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Jリーグ 2週間前

葛藤もストレスもあった。それでも小林悠はゴールを決める。川崎フロンターレが苦しい時「ゴールするのは自分だ」【独占取材】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「モチベーションがめちゃくちゃ上がるんです」小林悠を奮い立たせるのは…

「先発だとたとえチャンスで外しても、次に決めればいいと思えますけど、途中出場だとチャンスがあるかどうかがわからないし、何よりも途中から試合の流れに入っていくのがすごく難しい。勝っている状況と負けている状況とでは戦い方も違ってくるし、いろいろな準備も求められるんですけど、僕自身はチームが負けているか、あるいは同点の状況から入るのが一番好きになりました。自分のゴールで追いつくとか、自分のゴールで勝ちにつなげられると考えるだけで、モチベーションがめちゃくちゃあがるんです」

 途中出場で決めた6ゴールを合わせて、チームトップの12ゴールをマーク。異能のストライカーとして頭角を現した2年目の2011シーズンとは、心技体がまったく異なっているとも小林はつけ加える。

「若いときは何か勢いでプレーしていた感じです。特に2011シーズンなどは、自分の目の前にこぼれてくるとか、ほぼ運頼みみたいなゴールが多かったけど、最近の何年間かで途中出場から決めているゴールは自分の経験であるとか、予測に基づいてポジションを取れて、そこから決めているものが本当に多いんですよ」

 先述のガンバ戦で決めたゴールは、ここぞという場面で活躍する生粋の勝負強さに新たな得点パターンを融合させ、進化を遂げている自分自身を象徴するものだった。アシストがついた遠野は、ガンバの守護神・一森純の頭上を越すファーのスペースへ、誰かが走り込んでほしいと思いを込めて左サイドからクロスをあげた。

「大弥(遠野)があげたクロスへの入り方は、あの位置からだったら確実にあそこ(ファー)に上がってくると確信していた。誰よりも僕自身がそういうボールをほしかったし、だからこそ競り合った相手選手よりも先に跳んでヘディングで勝てた。経験を含めて、プロで15年間プレーしてきたいろいろなものが研ぎ澄まされた結果だと思っているし、あれが2011年だったらまったく違うポジションを取っていたかもしれない」

 ガンバ戦でゴールした背景を明かした小林は、予期せぬサプライズにも遭遇している。

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