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アーセナル大勝の要因はデクラン・ライス。アルテタ監督が演出した劇的な変化とは【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

ミケル・アルテタ監督の長所

  アルテタ監督が試合途中の修正をあまり得意としていないことは、これまでの結果を見れば明らかだろう。ベンチに試合の流れを劇的に変える“切り札“の要素を持つ選手が少ないことも影響してか、ビハインドの展開になると、なかなか同点、逆転へと導くことができていない。

 実際に今季相手にリードを許した5試合のうち、先述した通り3試合では完封負けを喫しており、最下位サウサンプトン戦が唯一の逆転勝利である。第5節マンチェスター・シティ戦は前半のうちに同点に追いつき、一時的に逆転にも成功したが、そもそも試合の入りから内容は良く、指揮官の試合中の修正力が結果に反映したわけではない。

 ただ、彼は“試合ごとの修正”には優れた指揮官だと言って良いだろう。

 チェルシー戦とスポルティングCP戦でのスタメンの違いは、負傷離脱したベン・ホワイトのところのみ。彼に代わって左SBで出場していたユリエン・ティンバーが右SBに回り、左SBには怪我から復帰したリッカルド・カラフィオーリが入った。

 怪我人の影響で、ティンバーよりもアーセナルの左SB適性があるカラフィオーリが左サイドに入ったこともチームが機能する上で重要な要素だったが、同じ中盤の構成ながら機能性が増したのは、チェルシー戦以来の出場となったデクラン・ライスの役割の変化が大きいように思う。

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