攻撃面での貢献度も低いロバートソン
仮に保持の局面でチームに好材料をもたらすことができるのであれば起用する理由も生まれるが、現状のビルドアップとファイナルサードでの貢献度の低さを踏まえると、厳しいものがある。
あくまでもロバートソンは“使われる側“の選手で、周囲の選手を活かすプレーが得意とは言えない。となれば、周りへのサポート意識がより強いツィミカスの方が、チームを活性化させる上では高い貢献度が見込める。
このまま30歳のスコットランド代表DFが攻守に厳しいパフォーマンスを続けるのであれば、リバプールは左SBの補強に動く必要があるだろう。
もう一人の左SBであるツィミカスも28歳で、ユルゲン・クロップ体制でのラストイヤーだった昨シーズンに左SBとして好プレーを披露していたジョー・ゴメスも序列が低いまま。この試合のパフォーマンスでロバートソンと交代出場しなかったことを踏まえると、そもそも左SBとしては計算されていないのかもしれない。
この左SB問題をスロット監督がどのように捉えているのかは、今週行われるレアル・マドリードとマンチェスター・シティとのビッグマッチで明らかになりそうだ。
ベストな選択肢はツィミカスが怪我から復帰することだが、それが叶わなかった場合の選択肢がロバートソンの継続路線になるのか、それともゴメスをはじめとする別の選手起用があるのだろうか。修正力に定評がある指揮官が目先で抱えるこの課題に、どのように向き合うのか要注目だ。
(文:安洋一郎)