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覚えておいて損はない!? 欧州、21歳以下のブレイク候補10人。トップスターの仲間入りを目指す男たち

シリーズ:ブレイク候補10人 text by 編集部 photo by Getty Images

FW:ジオバニー・クエンダ(ポルトガル代表)

ジオバニー・クエンダ
【写真:Getty Images】

生年月日:2007年4月30日
所属:スポルティングCP
市場価値:1500万ユーロ(約24億円)
今季リーグ成績:11試合1得点1アシスト

 今季のスポルティングCPは開幕から記録的なペースで勝利を重ねている。11月にルベン・アモリム監督がマンチェスター・ユナイテッドに引き抜かれてしまったが、リーグ戦では開幕から11連勝。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でもマンチェスター・シティに4-1の大勝を収めるなど、欧州でも屈指の強さを誇る。

 この常勝軍団の中で目立っているのが、今季トップデビューを飾ったばかりの17歳FWジオバニー・クエンダだ。右ウイング(WG)を本職とするレフティーで、スポルティングCPでは[3-4-2-1]のツーシャドーの大外を取る右ウイングバック(WB)としてプレー。敵陣に押し込んだ際には5トップになる超攻撃的布陣の幅取り役として存在感を発揮している。

 一般的なWBは利き足同サイドのケースが多いが、アモリム前監督は右サイドに逆足の選手を配置している。その中でクエンダは同じタイプのジェニー・カタモとプレータイムを分け合いながら開幕から公式戦19試合連続で試合に出場しており、17歳という年齢関係なしに主力の一人に定着した。

 彼の最大の武器は、切れ味鋭いドリブルでの突破力だろう。アーセナルのブカヨ・サカのように、カットインと縦への突破の2つの選択肢があるため、相手からすると一般的な利き足の同サイドのWGよりも守りづらくなる。

 対峙したDFの逆を突くドリブルを得意としており、一気にサイドで相手選手を置いてけぼりにするケースもしばしば。リーグ戦でのドリブル成功率は64%と高いアベレージを記録している。

 一方で本職がWGの選手をWBとして起用した際に生じるケースが多い守備でのマイナスは、持ち前の守備意識の高さもあってあまり見られない。相手にボールを奪われた直後の切り替えも早く、自陣深くまでボールを追いかけて奪い返すシーンも多く見られる。

 今季開幕から堂々たるプレーを見せたことで、市場価値がない段階から一気に1500万ユーロ(約24億円)へと上昇。デビュー間もない9月にはポルトガル代表へと初招集された。現時点でA代表デビューを飾ることはできていないが、11月の代表戦でも招集されるなど、タレント軍団の中で出場機会を伺っている。

 課題を挙げるとすれば、ファイナルサードでのプレー精度だろう。相手の右サイドを攻略してからのパスやチャンスメイクの質には伸びしろを残しており、得点関与の少なさがそれを証明している。アモリム体制のスポルティングCPでは、3トップの破壊力が抜群だったことから気にならなかったが、自らがその一角に入った際にどれだけ数字を残せるかが今後の注目ポイントだ。

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