ティンバーが果たした大きな役割
彼は保持時、サリバの脇にピタッとつく。マガリャインス-サリバ間と、サリバ-ティンバー間を比べると、その距離の近さは一目瞭然だ。ティンバーはワイドに広がらず、サリバの脇に立つことが多かった。
その狙いはサカの解放である。ティンバーの脇(真横と右斜め前方)にスペースが生まれ、ここにウーデゴールの動きが組み合わさることで、サカに1対1の局面が与えられる仕組みだ。
具体的な例として、22分のシーンが分かりやすいだろう。ウーデゴールが中央でボールを受けた場面だ。
この時、ティンバーにはカラム・ハドソン=オドイが、ウーデゴールにはニコラス・ドミンゲスが監視についていた。が、ノルウェー代表MFにボールが入った途端、一気にアーセナル優位になる。
なぜなら、この瞬間ハドソン=オドイ、ドミンゲス、ライアン・イェイツらフォレストの中盤の選手たちはウーデゴールに釘付けになっていたからだ。
守備側の狙いとしては、サカに対して左SBアレックス・モレーノとドミンゲスの2選手を使ってダブルチームで対応したかったはず。しかし、ウーデゴール、ティンバーの動きによってその目論見は外れることになる。
ウーデゴールはティンバーにボールを落とし、ティンバーはプレッシャーをほとんど受けることなく、右足でサカにボールを届けることに成功した。モレノはサカと完全な1対1での対峙を強いられ、背番号7を止められず。サカは深い位置までボールを持ち運び、ウーデゴールの決定機を創出している。
なぜこのティンバーの立ち位置が、大きな効果を発揮したと言えるのだろうか。