フットボールチャンネル

フォーカス 8時間前

アーセナルの3発快勝は納得。サカに自由を与える緻密な仕組み。エース“解放”のカギを握った男とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

ティンバーが果たした大きな役割


【写真:Getty Images】

 彼は保持時、サリバの脇にピタッとつく。マガリャインス-サリバ間と、サリバ-ティンバー間を比べると、その距離の近さは一目瞭然だ。ティンバーはワイドに広がらず、サリバの脇に立つことが多かった。

 その狙いはサカの解放である。ティンバーの脇(真横と右斜め前方)にスペースが生まれ、ここにウーデゴールの動きが組み合わさることで、サカに1対1の局面が与えられる仕組みだ。

 具体的な例として、22分のシーンが分かりやすいだろう。ウーデゴールが中央でボールを受けた場面だ。

 この時、ティンバーにはカラム・ハドソン=オドイが、ウーデゴールにはニコラス・ドミンゲスが監視についていた。が、ノルウェー代表MFにボールが入った途端、一気にアーセナル優位になる。

 なぜなら、この瞬間ハドソン=オドイ、ドミンゲス、ライアン・イェイツらフォレストの中盤の選手たちはウーデゴールに釘付けになっていたからだ。

 守備側の狙いとしては、サカに対して左SBアレックス・モレーノとドミンゲスの2選手を使ってダブルチームで対応したかったはず。しかし、ウーデゴール、ティンバーの動きによってその目論見は外れることになる。

 ウーデゴールはティンバーにボールを落とし、ティンバーはプレッシャーをほとんど受けることなく、右足でサカにボールを届けることに成功した。モレノはサカと完全な1対1での対峙を強いられ、背番号7を止められず。サカは深い位置までボールを持ち運び、ウーデゴールの決定機を創出している。

 なぜこのティンバーの立ち位置が、大きな効果を発揮したと言えるのだろうか。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!