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「貴史君以外に得点を取れる人が…」ガンバ大阪、中谷進之介の本音と後悔。天皇杯決勝で屈辱「負けたら何も残らない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「もう天皇杯はなくなってしまったので…」

 中谷は考えながら言葉を絞り出した。攻撃陣の駒不足や得点力不足という課題は改善しなければならない重要なテーマだが、守備陣としては失点を最小限に抑える術を突き詰めるしかない。

 この日、神戸に与えた決定機は宮代に決められた決勝点の場面くらいしかなかったが、それでも負けは負け。そこに自身が関与してしまったという事実を胸に刻み付け、彼はさらなる飛躍を遂げていくべきなのだ。

「もう天皇杯はなくなってしまったので、残りのJリーグ2試合でACL(AFCチャンピオンズリーグ)を取りに行くしかない。実質的に目標として残っているのはそこしかない。今日の負けは大きいし、その2試合で取り返すことにはならないですけど、せめてACLを取って次につなげられたらと思います」

 中谷は気丈に前を向いていたが、彼らにはまだやるべきことがある。3位・FC町田ゼルビアとの勝ち点差は「3」で、まだまだ3位以内を目指せる。坂本一彩や半田のような若い選手の成長を促すためにも、ACL出場権獲得は非常に大きなポイントだ。

 宇佐美不在の中、天皇杯決勝の敗戦を糧にチームを力強く引っ張れるのは彼しかいない。新天地1年目で大きな収穫を手にすべく、背番号20には最後の最後まで完全燃焼してほしい。

(取材・文:元川悦子)

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