「一概に前半が悪いと評価するのは難しい」田中碧がそう言う理由とは
「前半回していたぶん、後半空いてきた部分もあるだろうし、一概に前半が悪いと評価するのは難しい。前半があって後半(に良さ)が出た部分もあるし。でもあの後半の展開を前半から作れればもっといいだろうし」
もちろん、田中が言うように前半から主体的に崩せればよかった。ただ、相手がいるサッカーは力の差があるからと言って必ずしも思い通りにできるものでもない。アウェイであればなおさらだ。最悪なのは、うまくいかなかった前半で焦れてしまい、選手個々の意思がバラバラになってしまうことだろう。
意識的にメンバーを固定して同じメンバーでの積み上げを5試合続けてきた日本代表にとって、この勝利を過小評価すべきではない。インドネシア代表戦から先発メンバーを5人替え、キーマンだった守田英正と鎌田大地をベンチに座らせた中、アウェイできっちりと勝ち点3を持ち帰えることができた。勝っても課題はあるし、負けても良かった部分はあるというのは、森保監督が常日頃から言っていることでもある。
だからといって、これで満足している選手は1人もいなさそうだ。「ワールドカップ優勝ってことを考えれば、これくらいの、これ以上の選手層がもっともっとないといけないし、これくらいのクオリティが最低限ないとそこにたどり着くのは難しい」と遠藤は言う。
もちろん、守田と鎌田がいれば別の解決策を前半の内に見出していたかもしれない。ただ、ワールドカップ優勝という目標から逆算して考えたとき、田中の存在はとても重要になる。
世界最高峰のリーグでしのぎを削り、世界最高の選手と常日頃から対峙している選手たちがひしめく日本代表はは、「ワールドカップ優勝」の難しさを理解したうえで目指している。首位を独走するチームに慢心も油断もない。
(取材・文:加藤健一【中国】)
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