アルビレックス新潟(2012シーズン)
【写真:Getty Images】
監督:黒崎久志→柳下正明
Jリーグの残留劇を語る上で、2012シーズンのアルビレックス新潟は外せない。
このシーズンの新潟は、開幕から3試合連続黒星、5試合連続未勝利と雲行きの怪しい船出となった。以降も、チームの調子は安定することはなく、降格圏と残留圏を行き来している。
成績不振を受けて、クラブは黒崎久志監督を解任。後任監督に柳下正明を招へいする。しかし、新潟は監督交代後も残留争いから抜け出すことはできず、J2降格圏内の17位で最終節を迎えることになった。
運命の最終節(北海道コンサドーレ札幌戦)、新潟がJ1残留を決める条件は厳しい。まずは自分たちが「勝利」すること、その上で残留圏の15位・ヴィッセル神戸と降格圏の16位・ガンバ大阪の2チームが最終節で「引き分け以下」になることが絶対条件だった。
それでも、新潟は諦めていない。サポーターは雪が降るスタジアムに駆けつけ、逆転残留を信じた。
サポーターの後押しを受け、選手たちもこの大一番で勝負強さを発揮する。新潟は前半立ち上がりに先制すると、前半終盤にも追加点を奪う。後半に札幌が1点を返してスコアは2-1となるが、新潟は攻撃陣が奮起してさらに2点奪取。最終的に4-1で勝利している。
一方、新潟と残留を争う神戸とG大阪は共に敗北。この結果により、新潟は勝ち点40でJ1残留が確定した。
残留が懸かる大事な試合で、まさかの1試合4得点。選手たちは、まさにサポーターをヤケドさせるようなドラマチックな勝利でJ1残留を掴み取った。