遠藤に見えた小さな綻び
凄まじいボール回収力を見せていた背番号6にとっては悔しいミスに違いないが、サッカーをやっていればこういうこともある。
そこから日本の守備陣が確実にカバーできればよかったが、後手を踏み、最終的にリン・リャンミンがフリーになってしまった。遠藤はここにも走って戻ったが、一歩間に合わずにゴール。最終予選初の流れの中の失点を喫する形になった。
「瞬間瞬間で1個2個、取れないみたいなのがあると、ああやってピンチになるみたいなのはサッカーで当たり前。勝たなきゃいけないというのは自分に求められるところ」とキャプテンは自戒を込めて語ったが、何らかの小さな綻びが生じるだけで「遠藤はリバプールで試合に出ていない」という話になりがちだ。
「自分は今まで何百試合と出てきているので、試合勘に関して言えば、そこまで大きなギャップが生まれることはない」と本人も言い続けてはいるものの、見る人の目は厳しい。遠藤はそれを理解したうえで、こういったシーンを繰り返さないようにベストを尽くしていくしかないのだ。
それでも、日本はすぐさま小川が3点目をゲット。追いすがる中国を引き離した。そして64分に鎌田大地が入ってからは中盤も安定。ボランチをサポートする人間が加わったことで、遠藤の躍動感やデュエルの強さがより際立つようになり、最後まで圧倒的な存在感を披露。3−1の勝利の原動力になったのである。