日本のビルドアップの解決策は?
例えば、3バックの間にボランチの1人が下りて4バックに可変し、さらに両サイドのDFを前に出す。そうすればサイドで一時的に3対2の形を作れる。
田中と遠藤がそういう形を作ろうとしている場面もあったが、散発的で流れを一変させるには至らなかった。
ここまでの5試合でも、初戦の中国戦を除く4試合は相手の守備隊形にビルドアップを封じられそうになっていた。その都度、守田の機転とそれに連動する鎌田のポジショニングで事態を好転させていたのだが、2人のいない今回はそれがスムーズにできていなかった。
緻密に計算された守備で健闘した中国だったが、攻撃はロングボールを蹴ってセカンドボール回収を狙うシンプルなアプローチで驚きはない。しかし、日本に対してはこれが意外と効果的でもあった。
後半立ち上がりの47分にはGKからのロングボールで攻め込み、48分には日本のハイプレスをくぐって持ち込み1点を返す。
だが、日本はすかさず反撃に転じ、中村のサイドチェンジから伊東と久保で右サイドを攻略。伊東の鮮やかな切り返しからのピンポイントのクロスボールを小川がヘディングで押し込み3−1と突き放した。