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Jリーグ 6日前

太田岳志は人の“心を動かす”。京都サンガF.C.で試合に出続ける理由とその分岐点。「何があっても驚かない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

なぜ太田は先発の座を勝ち取ることができたのか?

「昨シーズンも同じような状況があったので、何があっても驚かない、と言い聞かせていました。ただ、自分自身の立ち位置を確保するためにも、勝ち点3を取り続けなきゃいけない、と思っていた。その意味で広島戦で手にした勝ち点3が、その後もこうして先発で出られ続けている要因だと思っています」

 昨年4月9日のアビスパ福岡戦で、待ち焦がれてきたJ1デビューを果たした。その後にレギュラー格だった若原智哉(現V・ファーレン長崎)が負傷離脱し、大きなチャンスをつかんだかに思えた。実際にリーグ戦で12試合に出場するも、7月に北海道コンサドーレ札幌からクが期限付き移籍で加入した。

 実績十分のクは今シーズンから完全移籍に移行。対照的に太田はいつ訪れるかわからない出番に備えて、常に心技体を完璧な状態で整えるセカンドキーパーとしての日々と向き合ってきた。

 もっとも、ゴールマウスに立てない日々は、2020シーズンから所属する京都が初めてではない。大阪学院大学から加入したJ2のFC岐阜では、3シーズンでリーグ戦20試合に出場しただけで契約満了に伴って退団。東京ヴェルディに新天地を求めるも、2016、17シーズンと一度も公式戦に出場できなかった。

 J3のカターレ富山へ期限付き移籍した2018シーズンも、公式戦の出場はわずか1試合。完全移籍した2019シーズンに同10試合に出場した後、オフに京都へ加入するも、公式戦初出場は3シーズン目の2022年2月、柏レイソルとのYBCルヴァンカップ・グループステージ初戦まで待たなければいけなかった。

 その間のモチベーションをどのようにして保っていたのか。鹿島戦後に太田はこんな言葉を残している。

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