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Jリーグ 7日前

ボランチと「使う筋肉が違う」。ヴィッセル神戸、鍬先祐弥の右SB起用は「伸びしろ」。佳境の優勝争いに何を感じたか【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

ボランチとSBは「使う筋肉が違う」。鍬先祐弥の“伸びしろ”

 70分、ロングボールを受けた翁長と対峙し、もつれて倒れた鍬先は立ち上がることができなかった。両足を攣っていた鍬先は菊池流帆との交代を余儀なくされた。豊富な運動量で中盤を制するダイナモだが、「使う筋肉が違う。それが伸びしろっすね」と苦笑したが、知らず知らずのうちに優勝のかかる終盤戦の重圧や、難しいタスクが鍬先にのしかかっていたのかもしれない。

 昨季の神戸がまさにそうだったが、緊迫感のある試合を経験することで、一選手として成長する。J1初挑戦の鍬先にとっては、今がまさにそのタイミングなのだろう。

 鍬先は「すごくいい経験ができている」と言うとともに「今日にしても勝たないといけなかった。自分にできることはもっとあったし、常に上を向いてやっていきたい」と貪欲さをあらわにする。

 結果的に鍬先が下がった後に神戸は失点を喫して勝ち点2を逃した。失点の原因はそのシーンを切り取るだけでなく、その前までさかのぼる必要があるだろう。

 井手口が言うように奪う位置が低すぎたこともあれば、相手の3バックとボランチに自由にボールをもたせてしまったことも原因だろう。「最後のところは自分自身も反省するところがある」と指揮官が言うように、交代策を含めた試合の終わらせ方も反省材料になる。
 

 神戸にとっては勝利を逃した結果となったが、この経験を未来につなげていければ、落とした勝ち点2以上の価値になる。鍬先の言葉は神戸というチームにも言える。まだ伸びしろがある。

(取材・文:加藤健一)

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