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Jリーグ 2日前

【開拓者としてのFC町田ゼルビア1】若いビジネス人材を育てる独自の制度。他クラブにも輩出「ここまでできる環境はない」

シリーズ:開拓者としてのFC町田ゼルビア text by 後藤勝 photo by Getty Images

学生とクラブ「双方にメリットがある」

 専門学校としてはJAPANサッカーカレッジがサッカー界向けの人材育成をおこなっているが、これだけオープンに、定期的に複数人のインターン生を募っているJクラブは稀かもしれない。このクラブの一員として学生スタッフが働く取り組みについて、2020年からインターン生受け入れの責任者を務める岡田敏郎運営部 兼 広報部 部長は「若い方々にプロスポーツクラブで働いてほしい、興味を持ってほしい」と言う。

「これは個人的にですが、業界の人材不足を痛感しています。こういう業界で働きたいという想いを抱いてもらえないと、いつまで経っても新しい血が入ってこない。それに対して、若い人に入ってきてもらうために環境を整えるのが私たちの仕事です。

 学生の方にチャレンジできる、自分で考えて仕事に取り組める環境を与えながら、クラブとしては、私たちの凝り固まった頭にはないような学生の方々の知見を得て新しい発想で事業を思い描ける。双方にメリットがある形で、学生スタッフをインターン生として採用する仕組みを継続しています」

 広く公募した結果、もともとサッカーを経験してきた、あるいはスポーツビジネスに興味を持っている大学生が、この町田の取り組みに気づき、学生スタッフとして働きながら町田の一員となり、あるいは他クラブへの転出という形でサッカー界に参入するケースが増えてきている。ちょうどフットボールビジネスに適した層の人材を戦力化し、町田のみならずJクラブ界隈に向けて輩出する場になっていると考えていい。
 

 学生スタッフの契約期間は半年で、2月1日から7月31日、 8月1日から1月31日といったように更新していく。地域振興を担当する現役大学生の板谷翼さんは3年生だった2023年の前半に応募し、8月から働き始めて現時点で3期目。昨年12月の時点で社員となることを打診され、面接等を経て5月に2025年からの町田への入社が内定。来シーズンに向け、町田の一員として日常を忙しく過ごしている。板谷さんは学生スタッフの間に得られた経験を次のように語った。

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