ヴァンフォーレ甲府
【写真:Getty Images】
監督:篠田善之→大塚真司
最終順位:14位
ヴァンフォーレ甲府は今季を14位で終えた。自らが掲げた理想と現実の間には、看過できない大きなギャップがある。
昨季は勝ち点3差でJ1昇格を逃した甲府。今季こそはJ1への切符を掴むべく、チームのスローガンを「緊褌一番」に設定した。文字通り、これまで以上に気持ちを引き締めて臨んだ2024シーズンだったが、期待外れのパフォーマンスが続いてしまった。
開幕2試合を白星で飾る素晴らしいスタートを切ったものの、その後は引き分けや負けの試合が増加。第15節から第24節にかけては、リーグ戦10試合連続勝ちなしという危機に陥った。
これを受けて、7月に篠田善之前監督が解任され、大塚真司コーチが監督に昇格した。篠田前監督下では、22試合6勝7分9敗。大塚監督就任後は16試合で6勝2分8敗という結果になった。
最終的に14位とJ2残留に成功したが、本来の目標ではないだろう。監督交代によってチームのパフォーマンスが好転したとは言い難い。
大きな課題は「勝ちきれないこと」、すなわち守りきれないことにある。
今季リーグ戦で、甲府は先制点を奪うことに成功した試合は20試合。そのうち最終的に引き分け・負けになった試合が9試合となっており、これはJ2全チームの中で最多の数字だ(Jリーグ公式記録参照)。
得点数はボトムハーフ最多の54となっている。以上の事実は、失点の多さがチームの高い得点力をかき消し、「勝ち点の取りこぼし」を多発させていることを示している。間違いなく上位進出の足枷だ。
先日、クラブは大塚監督の来季続投を発表した。今季途中に就任した指揮官は、この明確な課題を解決することができるだろうか。