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まだやれたはず…。現役最終年まで大活躍した日本の名手6人。引退直前まで第一線で戦い続けた男たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

MF:中村憲剛(なかむら・けんご)

中村憲剛
【写真:Getty Images】

生年月日:1980年10月31日
現役最終年の所属クラブ:川崎フロンターレ
現役最終年のリーグ戦成績(2020シーズン):13試合2得点3アシスト

 移籍市場に流れ込む資金が拡大の一途を辿っていることから、現代サッカーにおいては「ワン・クラブ・マン」が“貴重種”になってきている。そんななか、川崎フロンターレでプロになり、サックスブルーのユニフォームを着続けたまま現役を引退した中村憲剛は、今もなおファンに愛され続けている。

 おそらくは、中村自身もプロ入りした時には川崎との関係性がこれほどまでに長く続くとは思っていなかったかもしれない。

 2003年に中央大学から川崎へ入団すると、中盤の主軸として圧倒的な存在感を放つようになり、ビッグタイトルとは無縁だったクラブを数々のタイトルへと導いた。三度にわたるJ1制覇やYBCルヴァンカップ、天皇杯といったカップ戦の優勝は、中村の存在なくして語れない偉業だ。

 現役最終年となった2020シーズンは、中村にとってドラマチックな1年となった。序盤戦こそ膝の怪我の影響で出遅れたものの、復帰後は次第に調子を上げ、勝利を呼び込むプレーが増えていった。ホームで行われた2020年10月31日のFC東京戦では40歳のバースデーゴールをゲット。中村のゴールが決勝点となり、2-1で“多摩川クラシコ”を制した。

針に糸を通すようなパスで攻撃を自在に操る稀代の司令塔は、シーズンを通してリーグ戦13試合出場2得点3アシストをマーク。大ベテランとして、数字以上の影響力をチームにもたらした。

 最終的に、中村はJ1優勝と天皇杯優勝の2冠を達成して、川崎一筋18年間のキャリアに終止符を打つこととなった。クラブの黄金期を体現した男の引退の花道としては、これ以上ない最高の結果だったと言える。

 背番号「14」が見せた鮮やかな栄光の記憶は、今後も川崎ファンの間で語り継がれていくだろう。

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