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まだやれたはず…。現役最終年まで大活躍した日本の名手6人。引退直前まで第一線で戦い続けた男たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

MF:中田英寿(なかた・ひでとし)

中田英寿
【写真:Getty Images】

生年月日:1977年1月22日
現役最終年の所属クラブ:ボルトン(イングランド)
現役最終年のリーグ戦成績(2005/06シーズン):21試合1得点1アシスト

 数多くのサッカーファンが「このタイミングで辞めるのか…」と衝撃を受けた引退劇と言えば、中田英寿の去り際を忘れるわけにはいかない。29歳という若さでピッチに別れを告げた男の現役最終年は、慢性的な怪我との戦いの日々だった。

 21歳でセリエA(イタリア1部リーグ)初挑戦に踏み切った中田のサクセスストーリーは、今更説明不要だろう。ペルージャでの衝撃のデビュー戦“ドッピエッタ”(1人の選手が1試合で2得点を決めること)や、ローマ時代に優勝を争うユヴェントス戦で見せた鮮烈なミドル弾など、イタリアでの中田は記録と記憶に残るキャリアを築き上げていた。

 2005年7月、中田は約7年間を過ごしたイタリアを離れ、28歳でプレミアリーグ(イングランド1部リーグ)のボルトンに期限付き移籍で加入する。しかし、以降はグロインペイン症候群(股関節の痛み)が慢性化。満足のいくプレーがしにくくなっていった。

 それでも、現役最終年となった2005/06シーズンはリーグ戦21試合に出場。シーズン終盤には5試合連続先発出場を果たし、チームのために走り続けた。

 そして、物語はドイツで開催された2006年ワールドカップ(W杯)へと続いていく。日本代表のグループステージ敗退が決定した最終節・ブラジル代表戦の後、中田はセンターサークル付近で仰向けに倒れ込んだ。

 ファンからすれば、この時点で中田が現役引退を決意していることなど知る由もなく、2006年7月に中田の公式HP上で引退表明がなされた際には世間に大きな衝撃が走った。

 股関節に爆弾を抱えながらも、中田はボルトンでの現役最終年、そしてドイツW杯と、最後まで毅然とした態度を貫いてサッカーと向き合い続けた。29歳での電撃的な現役引退は、中田が最後の最後まで持てる力を振り絞ってきたからこそ決断できたことなのかもしれない。

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