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Jリーグ 3日前

サンフレッチェ広島、中野就斗はさらに強くなる。繰り返した「もう一回」の言葉。忘れられぬ試練を「乗り越えてこそ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

ロッカールームで発せられたレジェンド・青山敏弘の言葉

「神戸さんが引き分けで終わったのは、やはり意味があると思っています。ここで耐えて、耐えて、自分自身ももう一回、チームのために何ができるのかを考えながら、残り2試合を本当に死ぬ気で戦っていきたい」

 ハーフタイムには、広島サポーターで埋まったゴール裏のスタンドが沸き立つ場面があった。リーグ戦で8月7日の東京ヴェルディ戦以来、今シーズン限りでの現役引退を発表した10月20日以降では初めてベンチ入りしたMF青山敏弘が両手を何度も振りあげ、ともに戦おうとスタンドを鼓舞したからだ。

 岡山・作陽高から2004シーズンに加入した広島ひと筋で21年目を迎えた、38歳の大ベテランにしてレジェンドは、中野によれば試合後のロッカールームでこんな言葉でチームを鼓舞したという。

「ここでもう一回踏ん張るぞ、ここで折れているようじゃダメだぞ、と」

 群馬・桐生第一高から桐蔭横浜大をへて、広島でプロのキャリアを歩み出して2シーズン目。身長182cm体重79kgの屈強なボディに、豊富な運動量と対人能力の高い守備力、ボールを前へと運ぶ推進力、右利きながら左足にもパンチ力を搭載したホープの前の前には、常に青山の姿があった。

「サッカーに対する姿勢を含めて、オン・ザ・ピッチでもオフ・ザ・ピッチでも本当に誰もが憧れるサッカー選手だと思うし、そういうアオさん(青山)の身近にいたなかで自分も成長できた。やはりアオさんとともに優勝したいし、アオさんにシャーレを掲げてほしいという思いがある。

 次の試合までには日程も一度空くので、チームとして、そして自分自身として何ができるのかをもう一回、しっかりと見つめ直したい」

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