「勝ちたい、勝ちたいという欲がチーム全体にあるのは事実」
「やってしまった、という思いがありました。ただ、90分間を通して何が起こるのかが本当にわからないのがサッカーなので、自分をもう一回取り戻す、という意味を込めて失点は忘れました」
しかし、広島は前後半で浦和の倍近い23本ものシュートを浴びせながら、ゴールを奪えなかった。逆に後半、前がかりになった背後を取られ、カウンターから2ゴールを追加された。
自らの豪快なミドルシュートで先制しながら湘南ベルマーレに逆転負けを喫し、連続無敗記録が11試合(10勝1分)で途切れたのが10月19日。前節では京都サンガF.C.に今シーズン初の零封負けを喫して、首位を昨シーズン覇者・ヴィッセル神戸に明け渡し、そして浦和戦で同じく初の3連敗を喫した。
「焦りというか、こういう優勝争いはサッカー人生でもなかなか経験できるものではないので、勝ちたい、勝ちたいという欲がチーム全体にあるのは事実です。それがなかなか結果についてこなくて、苦しい思いをみんながしていると思いますけど、だからこそここを乗り越えた先に優勝が待っているはずなので」
プレッシャーを認めつつも必死にファイティングポーズを取った中野は、1時間早くキックオフされていた試合で、神戸が終了間際にオウンゴールで追いつかれて引き分けた結果を知っていた。残り2試合で勝ち点差が5ポイントに広がるところを、3ポイントにとどまった状況を努めて前向きに受け止めた。