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Jリーグ 2週間前

「毎日コツコツと…」アルビレックス新潟、橋本健人の転機は“昨年1年間”だった。レジェンドと出会い、もらった言葉【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「チームはもっと上を目指せる集団」

「俊さんはもともとすごい憧れの人。同じ左利きだし、ボールの持ち方とかも含めてですね。その俊さんがBチームのコーチだったので『こんな機会は滅多にない』と思っていろいろ質問もしたし、盗んだりもしました。全部が俊さんのおかげとは思ってないですけど、いてくれたことはすごく感謝してます」

 橋本には前述の通り、山口時代の霜田監督や名塚善寛監督(現湘南コーチ)、徳島の増田功作監督、新潟の松橋監督など素晴らしい出会いが沢山あったが、特に中村俊輔コーチの存在は特筆するものがあったはず。中村コーチの方も昨年は指導者1年目で「自分ではできることが少ないから、選手に寄り添ったり、近い距離で話したりしていた」と話していたことから、橋本は幸運だったと言えよう。

 そういった積み重ねが今夏から赴いた新潟で発揮されているからこそ、キャプテン・堀米悠斗から左SBの定位置を奪って、起死回生の同点弾を演出するに至った。

 結局、新潟は1−1のドローに持ち込み、勝ち点を41に伸ばした。札幌、磐田にもJ1残留の可能性が残り、新潟としても依然として楽観はできないが、18位・磐田との差は6に拡大。一歩前進したのは確かだ。

「でも同点ゴールをアシストしたからと言って、全然こんなもんじゃない。チームはもっと上を目指せる集団だし、自分もそういう選手だと思っているので。ルヴァン決勝でもほしいものは手に入らなかったという現実があるし、足りなかったものを突き詰めていかないと。守備においてはまだ足りてないところがあるし、攻撃もクオリティや判断とかもっとできることがある。とにかく今は勝つ景色をみんなで見たいです」

 橋本は語気を強めたが、残るガンバ、浦和レッズとの2戦で有言実行しなければいけない。背番号42に課せられた責務は大きいのだ。

(取材・文:元川悦子)
 

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