数々の困難なタスク。テン・ハフには感謝しかない
それでも『INEOS』新体制の眼力を信じて、そして勇気を振り絞って、懲りずに言おう。ポルトガルの若き名将が我が軍を率いることになるらしい。これで我が軍は強くなるはずだ。今度こそ。
オランダ人監督は2年間と少しの間、赤い悪魔の監督を務めてくれた。
オーレ・グンナー・スールシャール期間に蔓延していた弛緩した空気と向き合い、攻撃面での戦術的無秩序にも向かい、クリスティアーノ・ロナウド、ジェイドン・サンチョ、マーカス・ラッシュフォードなど扱いのむずかしいスターとも向き合い、その上でフロントの組織改変にお付き合いし、補強関係も担当した。
米スポーツメディア『ジ・アスレチック』によると、昨季までのテン・ハフはタスク過多でキャパオーバーの状態だったらしい。
にも関わらずメディアやファンは、やれ「攻撃的に戦え」だの、やれ「ラッシュフォードを覚醒させろ」だの、やれ「タイトルは獲れ」だの、やれ「OBの意見も聞け」だの。気が狂いそうになるほどの外圧があったはずだ。
そんな過酷な環境で、しかも怪我人続出という不運もあった上で、若手を育てて、2年連続でタイトルを獲得してくれたのだから、テン・ハフには感謝しかない。本当に「お疲れ様です」と機会があれば本人に伝えたい。
もちろん細かいことを言えば、シーズン中の判断にはフラストレーションを溜めることもあった。