選手交代も完璧だったインザーギ采配
インザーギが仕掛けたアーセナル対策を打破するべく、アーセナルのミケル・アルテタ監督は後半開始から最前線で出場していたカイ・ハフェルツのポジションを下げる戦術的な変更を行った。
ハフェルツには普段ウーデゴールに与えられているような中盤のフリーマンの役割が与えられ、その効果が早くも後半開始直後に出て停滞していた右サイドからも惜しいクロスが上がり始めた。
しかし、アーセナルは最後まで得点を奪うことができなかった。その要因として大きかったのはインテルが前半終了間際にPKから先制に成功していたことで、これによってホームチームは前半と比較すると、後半はリスクを避けてチームとして守備の意識をさらに高めていた。
インザーギ監督は交代カードの切り方もタイミングも抜群で、62分にはニコロ・バレッラら先週末の試合で先発していた計3選手を投入。前半からハードワークをこなしていた中盤にフレッシュな面々を起用した。
仕上げには、79分にツートップの一角を削ってディマルコを投入。この試合でキーポイントとなっていたサイドの守備に厚みをもたらすことに成功し、そのまま逃げ切って勝利を収めた。
完璧とも言える良いプランを前にアーセナルの強力攻撃陣は、セットプレー以外で自分たちが得意とする形でチャンスを作らせてもらえず。使える駒の多さを武器に相手の対策をしっかりと行い、それを実行したインテルが完勝を収めた。
この勝利は週末に行われる首位ナポリとの直接対決に向けても良い弾みとなるだろう。
(文:安洋一郎)