J1昇格に向けてチームに必要なもの
「(田中)和樹が悪いわけでもなく、後ろのオーガナイズは自分の責任だと思っていますし、その前のプレーで止めさせるコーチングができていれば問題はなかったと思う」と、ディフレクションの要因となった選手をかばいながら、自身の声かけが足りなかったことを悔やんだ。
アディショナルタイムは8分。割れんばかりの声援が後押しする中で、千葉は敵陣にボールを運ぶも、それ以上スコアを動かせず、フクアリに試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。
最後に力尽きたとはいえ、死力を尽くして戦った姿はサポーターの目に焼きついていたからこそ、試合後の声援は選手たちの顔を上げさせるものとなった。これで千葉は6位に後退したが他力ではない。最終節で山形に勝利すれば、文句なく自力でプレーオフの切符を手にすることができるのだ。
「まだ終わった訳ではないし、自分たちが次に勝てばいいだけ。監督も『絶対に下を向くな』と言ってくれましたし、やることは一緒。最終節に向けて山形を叩く準備をしていきたい」
ここまでリーグ戦13試合連続先発出場し、安定感あるプレーを見せている鈴木だが、昨シーズンのJ1昇格プレーオフ準決勝では東京ヴェルディと対戦し、2度ネットを揺らされて敗戦。もうあんな思いはしたくはない。悔やんでも悔やみ切れない思いは鈴木を焚きつける燃料となっている。
鈴木に、ここから駆け上がっていくために必要なものを聞くと「バトル」だという。
「ここ最近は、目の前の相手に対して行き切れず後手に回るシーンが多かったのですが、今日の相手に対してはしっかりできていました。これを続ければ問題はない。ただ、いつも通りでは負けてしまう。いつも以上にやらなければ勝てないので、自分がしっかりと声をかけていきたい」と意気込んだ。
泣いても笑っても次がリーグ戦ラストゲーム。自分たちが勝つだけというマインドで臨み、ただ勝利だけを求めていく。
(取材・文:石田達也)
【ジェフユナイテッド千葉 関連記事】
千葉からも選出! 日本代表に推薦したい10人
ジェフ千葉、田中和樹が「一つ上の選手になる」ための条件とは? 「本当に自分でいいのか」自問自答の先に見えた答え【コラム】
「エースは俺だ」ジェフ千葉、小森飛絢が抱く10番への思いと得点量産の秘訣。自身を変えたレジェンドの言葉とは?【コラム】