エース封じに意識したこととは?
【写真:Getty Images】
ゴール右を狙ったキックをまるで漫画のワンシーンのような横っ跳びでボールをキャッチ。そこから素早く前線にパントキックを送ると、長崎はセカンドボールから左サイドでFKを取った。そこからゴールは生まれなかったが、長崎がわに流れがむいたまま、クイックリスタートを生かした攻撃で、エジガル・ジュニオによる決勝点が生まれたのだ。
そのPKのシーンに限らず、エース小森との対決に関して若原は「本当に注意するべき選手だったので。試合中、センターバックとか中心に背後のケアだったりとか、そういったものを90分通してやろうっていうのは話してたので。僕だけの力じゃなくて、みんながなんだろう…その小森選手に入る前に、みんなが止めてくれたりとかしてたので。それが良かったんじゃないかと思います」と語る。
長崎の下平隆宏監督は「今日のゲームのハイライトは若原のPKストップ、これが一番だったと思います。ここでしっかり流れを引き寄せて、途中交代の選手がさらに1点を取ってくれて、今日のゲームを大きく動かした」と守護神のパフォーマンスを賞賛した。
もちろん、一番の大仕事はPKストップだったが、16本のシュート、そのうち9本が枠内という千葉のフィニッシュに立ち向かい、セットプレーの1失点に止めたことが勝利に結び付いたことは間違いない。
今でこそ長崎の守護神として指揮官の信頼を得ているが、京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入した若原の置かれた立場は厳しいものがあった。長崎がJ2としては選手層が厚く、それはGKも例外ではなかった。若原が想像していたよりも、はるかにレベルが高かったという競争の中で、前半戦は控えが続き、ようやく出番を得たのはルヴァンなどのカップ戦だった。