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「こんなんじゃ…」V・ファーレン長崎、若原智哉は悩んでいた。素直に打ち明けた苦い過去、仲間と辿り着いた檜舞台【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

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明治安田J2リーグ第37節、ジェフユナイテッド千葉対V・ファーレン長崎が3日に行われ、アウェイの長崎が1-2で勝利した。その立役者となったのが、PKストップを見せたGK若原智哉だ。なかなか試合に絡めない苦しい時期を乗り越えた先に待っていた最高の瞬間。常に“仲間”がいたからこそ、若原は主役になれた。(取材・文:河治良幸)

「揉めて…くれたって言ったらおかしいですけど…」

V・ファーレン長崎の若原智哉
【写真:Getty Images】

 V・ファーレン長崎はアウェイのフクダ電子アリーナでジェフユナイテッド千葉に2-1で勝利。すでにJ1昇格を決めている清水エスパルスが優勝を決めた一方で、J2で現在2位の横浜FCが栃木SCと0-0の引き分けに終わったため、自動昇格の2枠目は最終節に持ち越されることとなった。

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 相手は昇格プレーオフのかかる千葉とあって、圧倒的なアウェイ感の中での試合だったが、長崎は4分にハンドによるPKをマルコス・ギリェルメが決めてリードを奪う。しかし、千葉も右サイドのフリーキックから横山暁之のキックにエドゥアルドがヘッドで豪快に合わせて同点に。大一番らしい激しい攻防の中でも両者譲らず、迎えた73分に勝負の明暗を分けるシーンが起きた。

 千葉が押し込んだ状況で、キャプテンマークを巻く左サイドバックの佐々木翔悟がボックス内に侵入すると、中盤の底からカバーに行った山田陸が倒してしまう。レフェリーは迷いなくペナルティスポットを指したが、直前にあったラフプレーもあってか、千葉がわがエキサイトして揉めごとになり、タイムラグが生じたのだ。

「どんな形であれ、自分の時間を作ろうと思ったので。そういった中で揉めて…くれたって言ったらおかしいですけど、自分に集中する時間ができたっていうのは、良かったなと思いますし、相手選手のテンポで蹴らすんじゃなくて、自分の空間を作ってやろうと思ってたので。それが逆に良かった」

 そう振り返る若原智哉の見事なPKストップ。しかもキッカーはここまで23ゴールで、J2得点ランキングのトップに立つ相手エースの小森飛絢だった。

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