「サッカーは最高だと…」
「お前が外したら、もう仕方がないと思っていたよ」
山岸は「もう31歳だし、能力がすごく高いわけでもない」と自己分析しながらこう続ける。
「でも、年齢は関係ないですよね。常に考えている選手が成長していくので、自分はこれからも成長スピードを上げていきたい。今日に関してはPKをしっかり決められてよかったし、5番目で使ってくれた健太さんの信頼に応えられたのも、タイトルを取れたのもよかった。サッカーは最高だとあらためて思いました」
逆風にさらされても常に前を向き続けるポジティブな思考回路と、それを支える不断の努力。2ゴールをあげたFW永井謙佑やMVPに輝いたランゲラックがまばゆいスポットライトを浴びた決勝で、個人としてただ一人、大会連覇を達成した山岸が、人生を生き抜いていくうえでも大事な姿勢を教えてくれた。
(取材・文:藤江直人)