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怪我に狂わされた…。日本の「ガラスの天才」10人。不運…。長く苦しむも懸命に立ち上がってきた男たち

シリーズ:ガラスの天才 text by 編集部 photo by Getty Images

FW:宮市亮


【写真:Getty Images】

生年月日:1992年12月14日
日本代表成績:5試合0得点0アシスト

 横浜F・マリノスのFW宮市亮は、「ガラスの天才」を象徴するような存在だ。

 U-14から各世代別のサッカー日本代表を経験した宮市は、中京大中京高等学校で1年生のときからレギュラーを務めた有望な選手で、高校卒業後にイングランドの名門アーセナルに加入した。

 2010年当時、日本人選手の海外挑戦がいまほど多くなかった中で、高卒でヨーロッパに渡った宮市は大きな注目を集めた。イングランドでの就労ビザが下りなかったため、オランダのフェイエノールトに期限付き移籍で加入し、シーズン途中の加入ながらオランダ1部リーグで12試合に出場、3得点5アシストを記録。高卒ルーキーのプロ1年目としては十分すぎる成績を残し、さらに期待が高まった。

 しかし、その後は苦難が始まった。2012/13シーズンに期限付き移籍で加入したウィガン・アスレティックで2度、右足首のじん帯を痛め、このシーズンは公式戦7試合の出場にとどまった。

 その後も負傷離脱を繰り返した宮市は、特に2015年夏に加入したザンクト・パウリで悲劇的な時期を過ごした。7月のプレシーズンマッチで左ひざ前十字じん帯を断裂してシーズンの大半を棒に振ると、2017年6月には右ひざの前十字じん帯も断裂した。

 2021年夏に横浜F・マリノスに加入した宮市は、28歳にして初めてJリーグに挑戦。2022シーズンは開幕から好調を続け、EAFF E-1サッカー選手権2022のメンバーに選出された。約10年ぶりの日本代表で注目が集まったが、韓国代表戦で右ひざ前十字じん帯を断裂。負傷の呪縛から逃れることはできず、またしても長期離脱となった。

 爆発的なスピードを武器とする選手にとって、このような大ケガは一度でも致命的になり得るが、宮市はそのたびに復帰し、今シーズンもスーパーサブとして横浜F・マリノスの戦力となっている。

 31歳となった今も一線でプレーしていること自体が素晴らしいことだが、ケガがなければどこまで行けたのかを考えずにはいられない。

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