危険なシーンは共通していた?
GKのバルト・フェルブルッヘンと左CBのイゴールは変わった動きをしていないのだが、先述した3人の状況に応じた流動的なポジショニングに対して、リバプールの前線4枚のプレスがハマらず。特にアヤリのポジショニングと相手のプレッシャーを剥がす個人スキルの高さはリバプールにとって厄介となり、プレスを反転されてからの疑似カウンターを何度も受ける結果となった。
その代表例が27分のシーンだ。フェルブルッヘンを使った数的優位なビルドアップであっさりとプレスをかわされると、ファン・ヘッケからの縦パスを受けたアヤリが相手の最終ラインの裏へスルーパスを供給。これに反応したジョルジニオ・リュテールがフィルジル・ファン・ダイクに身体を当てられながらもシュートに持ち込んだ。
このシーンはゴールへと結びつかなかったが、14分のブライトンの得点シーンもプレスを反転させてからの攻撃で、リバプールからすると相手の変則的なビルドアップに適応できないまま前半の45分間を過ごすこととなった。
一方のリバプール側のビルドアップは、相手の2トップにCBからライアン・フラーフェンベルフとアレクシス・マック・アリスターのダブルボランチへのパスコースを消され続けており、一度ボランチの選手にパスを当ててから展開する狙いの形があまりできずにいた。
この「攻守におけるプレスの嚙み合わせ」の悪さが、リバプールの試合内容の悪さに直結していたのだが、後半になるとスロット監督の手腕によって大きな修正が行われる。