三竿が担う重要な仕事
ラスト15分間の鹿島は5バックに移行。三竿は3バックの右になり、右SBには公式戦から長く遠ざかっていた津久井佳祐が入った。その彼に対しても献身的な声かけを見せ、年長者らしいサポートをし続けた。
それも自身が欧州や鹿島復帰後に控えに回った経験から出た行動だろう。細かい部分ではあるが、重要な仕事を彼は担っていたのだ。
結局、山本悠樹に直接FK弾を決められたが、試合は3−1で終了。鹿島はクリーンシートこそ逃したものの、川崎相手に14年ぶりのシーズンダブルを達成することに成功した。
「川崎には毎回ボール保持されて、食いついたら背中を取られるイメージがあって、近年は1対1で進めながら最後の1プレーでやられるっていうところもあった。
それでも、どんどん勝つ確率が高まっていくのを感じてましたし、今年はホームでも勝っていたんで、ようやく勝てるようにはなってきたかなと思います」と三竿自身もスッキリした様子だった。
これで何とか優勝戦線に残った鹿島。残り4戦全勝してもヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島に届くか分からないが、奇跡を信じて戦い抜くしかない。
三竿は右SB起用が続きそうな気配だが、守備をベースにしつつ、この日のように攻撃や得点に絡む回数を増やすことが肝要だ。今後の一挙手一投足から目が離せない。
(取材・文:元川悦子)
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