鹿島が川崎を上回った部分とは?
ボランチ本職の選手が右SBに入るケースは少なくない。対戦相手の川崎の橘田健人もこの日は同じ起用法だったし、2018年ロシアワールドカップ(W杯)時の遠藤航(リバプール)も右SBに使われた。
遠藤に関して言えば、その経験をボランチに戻ってから遺憾なく発揮して世界トップレベルまで上り詰めている。三竿にとってもプラス要素は少なくないはずだ。
とはいえ、やはりマルシーニョのスピードは驚異的。「だいぶヒヤヒヤしながら守っていました」と本人も苦笑する。
その高度な守備がチーム全体に伝わり、この日の鹿島は球際や寄せといったサッカーの基本的な部分で敵を上回った。鋭いボール奪取からスピーディーに前につける攻めで序盤からゴール前に迫っていき、いち早く得点に結びつけることに成功したのだ。
先制点は10分。右タッチライン際からのスローインを柴崎岳が受け、クロスを入れたところに知念慶が飛び込み、打点の高いヘッドをお見舞いする形だった。
古巣相手に恩返し弾を決めた背番号13は納得の表情を浮かべながら先制点をこう振り返った。