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Jリーグ 6日前

「下回るなら僕はいらない」横浜F・マリノス、小池龍太が背中で示した「基準」。苦しい現状…。だからこその役割【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

小池がチームメイトに示した一つの「基準」

「最後まで集中力を高めることで失点をゼロに抑えましたし、あとはラストパスとゴールが決まればというシーンもあって。そこのクオリティは今後、突き詰めて行かないといけない。そこに自分が関われる回数をどこまで作れるかが課題かなと思います」

 小池にとって、そうした厳しいディフェンスを集中力高く、最後までやり切ることは「基準だし、下回っちゃいけないし、下回るのであれば僕はこのクラブに要らない」と語る。

 そうした意識をチームに注入できたことにも手応えはあるようだが、得点を取って勝ち切るために、どう攻撃に関わっていくかという部分では課題を残したゲームでもあった。

 浦和と勝ち点1を分け合う形で勝ち点を43に伸ばしたが、残留が確定したわけでもなければ、リーグ戦の未勝利も6試合続いている状況も変わらない。

「チームのために、自分のためではないプレーを仲間もしてくれると信じて、自分はそういうプレーをしていきたい。難しい時期になってくるし、人それぞれ、いろんな感情が生まれる残りのシーズンだと思いますけど、そういう時に、マリノスのために一人一人がどれだけやれるかなので。これまで良い時でも、悩んでいた選手たち、そういう選手たちがやってくれてたように自分たちもやるだけ」

 そう言い切る小池が残りシーズンで、基準高くマリノスのパフォーマンスに良い影響を与えていけるか。もちろん最後の仕上げは前線のアタッカーに託すところも大きいが、守備をタイトにこなしながら、良い攻撃に繋げていくのは小池の役割だ。

 一つひとつの試合で勝利にこだわる小池の姿勢が、苦しい時期でもマリノスらしさを取り戻して勝利につながる鍵になるかもしれない。

(取材・文:河治良幸)

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