「あってよかった」偉大な先輩からの言葉とは?
「ソガさん(曽ヶ端)や西部さんといろいろな話をしてきたなかで、ゴールキーパーのチャンスというものは急に来るものだし、もし来たときには慌てることなく、自分が積み重ねてきたもの信じてプレーしろと言われてきました。
実際にチャンスが来るかどうかはわからないし、信じ続けるのはなかなか難しい作業でしたけど、こうしてチャンスをもらったときに、そうした先輩方の言葉の重みがあってよかったと思っています」
試合はいきなり動いた。開始わずか3分。栃木が獲得した左コーナーキック(CK)のこぼれ球を、MF石田凌太郎がペナルティーエリアの外から豪快にゴール左隅へ叩き込んだ。次の瞬間、沖は審判団に対して、ゴール前でシュートをよけた元日本代表のFW矢野貴章がオフサイドになると猛然とアピールした。
「オフサイドだと自分は思ったので、審判に言うしかない。自分をしっかりと表現するというか、そういうところでアピールするのは非常に大事だし、たとえ間違えていても言うべきだと僕は思っています」
J2リーグにはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)がいない。そのなかで審判団も矢野のオフサイドを認識していて、栃木を狂喜乱舞させた石田のゴールは取り消された。沖が続ける。