内田篤人コーチからのアドバイスは「ちょっと秘密ですね」
JFAアカデミー福島から浦和レッズレディース、アルビレックス新潟レディースをへて、昨夏に加入したINAC神戸レオネッサをパリ五輪敗退後に退団。スウェーデンのヘッケンに移籍した。
「海外でスピードのある相手や体格の大きい相手に、どのようにして自分が対峙していくのか、というところを毎日体感しています。そのなかで当たるタイミングや、最初に相手を吸収するスピードの部分は本当に細かくやってきたので、それが今回の韓国戦でも生きたし、今後も継続して取り組んでいきたい」
石川県金沢市で生まれ育った北川は、今年元日に故郷を襲った能登半島地震に心を痛め、機会があるたびにメッセージを発信してきた。金沢ゴーゴーカレースタジアムで7月に行われた、ガーナ女子代表とのパリ五輪壮行試合で右膝を痛めるも、本大会で復活を果たした姿を介して故郷へエールを送った。
しかし、スウェーデンで新たな挑戦をスタートさせていた9月に、奥能登豪雨が再び石川県を襲った。地元から送られる応援に常に感謝してきた北川は、韓国戦後にこんな思いを明かしている。
「つらい思いをされている方々へ、今度は自分が少しでもパワーを届けられたらという思いで毎日を過ごしていますし、今日の勝利を通じても、しっかりと何かを届けられたらと思っています」
韓国戦後の取材エリアでは、サイドバックの大先輩である内田コーチから伝授されたアドバイスに関して、具体的なエピソードを問う質問も飛んだ。北川は「ちょっと秘密ですね」と笑顔でかわした。
「サイドバックをやっていたからこそわかる悩みというか、本当に細かいところなので。これに関しては今後、自分がさらに成長したときに、内田さんがあげてくれたと思ってください」
パリ五輪での敗退から踏み出す新たな一歩を、圧勝で飾ったなでしこジャパンで、監督代行のもととはいえ、新体制下での第1ゴールを決めた北川は生まれ故郷の石川県、そして内田コーチへの恩返しとなる成長を追い求めて、戦いの舞台を再びヨーロッパへ移して全力でチャレンジしていく。
(取材・文:藤江直人)
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