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Jリーグ 4日前

新たなボランチ像と意識の変化。山根陸は横浜F・マリノスを「そろそろ自分が勝たせたい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by Getty Images

山根陸の変化。チームにどのようなエッセンスを加えるべきか

「課題を挙げたらキリがないし、全部の能力を上げたいのはもちろんだけど、結果や数字の部分はもっとこだわっていきたい。賞をいただけた嬉しさもあるけど、これから先どうなっていくかのほうが大事」

 当たり前のように思える発言も、少し前であれば趣旨の異なる言葉が多かった。ボランチを主戦場とする選手として大切にするのはゲームコントロールであり、バランス感覚に重きを置いていた。「得点や数字も大事だけど、それ以外にもやるべきことがある」と信念を貫いていた時期はたしかにあった。

 もちろん今も「結果がすべて」とは決して言わない。ディテールやプロセスを大切にする研究熱心な姿勢と思考は山根のストロングポイントで、派手さばかりを追い求めてしまえば、たちまち彼らしさを失ってしまう。

 重要なのは大胆さや貪欲ぶりを押し出すための戦術眼ではないか。チームにどのようなエッセンスを加えるべきなのかを正しく見極められれば、その後のアクションもスムーズさを増していくはず。

 今月上旬に行ったシンガポール代表との練習試合で2得点1アシストをマークした。鋭いミドルシュートを決め、巧みなヒールパスでお膳立てし、3列目から相手ゴール前に飛び込んで抜け目なくゴールネットを揺らす。コンディションが万全ではない相手の力量を差し引いても、ボランチとしてこれ以上ない結果だ。

 試合後に見せた納得の表情と言葉がとても印象に残っている。

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