「試合の状況によってチームがどのようにプレーして、それに適応するか」
「ロングボールが多くなるということは、自分もセカンドボールも拾わなければいけなくなるので、あまり低い位置にはいたくなかった」
67分にブライアン・リンセンに代わってチアゴ・サンタナが入ると、ロングボールを収める起点ができ、徐々に押し込めるようになってきた。試合終盤は両チーム無秩序で、ピッチの各所で1対1が繰り広げられるカオスな状況となったが、押し込んだ浦和がPK獲得のチャンスを逃さなかった。
グスタフソンの機転の利いた判断が、円滑なビルドアップを可能にする。「戦術的な部分でピッチ上で修正しないといけない部分がある。選手同士で話し合うことは重要なこと」と言うように、ピッチ上で決断が下せる数少ない選手と言えるだろう。グスタフソンの視点は、選手たちがどうプレーすべきか、という解決策のヒントを提示してくれる。
「試合の状況によってチームがどのようにプレーして、それに適応するかということ。自分が降りて3センターバックで回す方が自分の良さが出るときもある。ロングボールでプレーするときは、やはり自分はもう少し前に出るべき」
マチェイ・スコルジャ監督の初陣こそ、浦和レッズは勝利したものの、そこから4連敗を喫していた。グスタフソンもその初陣から2試合は先発していたものの、直近3試合は先発メンバーから外れている。BKヘッケンからペア・マティアス・ヘグモ前監督とともに加入したグスタフソンは、監督交代とともに序列を落とす形となっていたが、この試合で自身の存在価値を新監督にも強く印象付けることとなっただろう。
最初にも述べた通り、この試合は勝ち点3を持ち帰ることがすべてだった。残留という目前の目標を達成するためには、この日のような精神面での優位性が必要だろう。ただ、その先に希望を見出すのであれば、今後もグスタフソンは必要だ。
(取材・文:加藤健一)
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