「自分の物足りなさが(失点に)直結してしまっている」「自分次第で変えられる」
「これまで在籍したチームでメディアの前で自分が失点を減らす、というような大口を叩いたことはなかったですが、今年はそれを明確に口にして始めたシーズンだったので。もちろん、一人で実現できることではないですが、言った限りは自分もしっかり貢献している姿を見せないと説得力がないし、仲間の信頼も掴めない。そこは、繰り返し自分に求めてきました」
9月の終わり、前半戦には2度しかなかった『複数失点』の試合が、後半戦に入って4度目を数え、さらに32節・東京ヴェルディ戦でも1-1の引き分けに終わったあと、自分を律するようにその責任を自分に向けていたのも中谷らしい。
「ここにきてポロッと失点しちゃっている、という試合が増えているのは僕自身も見直さなきゃいけないところ。守備を預かる一人として、その脆さみたいなところに、最後の最後で体を張るとか、カバーを怠らないとか、あと一歩足を出せたんじゃないか、というような自分の物足りなさが直結してしまっているんじゃないかという責任もすごく感じています。
だからこそ、もう一度、原点に立ち返るというか。自分にプレッシャーをかける意味でもその責任としっかり向き合って、何が良くて、何が足りないのかを見直そうと思っているし、チームとしての戦いとはいえ、自分次第で変えられるところや、もっといけるだろ、ってところを怠らず、しっかりプレーで表現していきたい」
冒頭に書いたプレーも、ある意味「自分次第で変えられる」ことを表現したシーン。一方で失点についても言及し「もう一つ早く準備できていたらカバーできたんじゃないか」と再び矢印を自分に向けた。
ちなみに今シーズン、中谷がJ1リーグ戦フル出場を達成すれば、名古屋在籍時の20年以来、3度目。その20年もJ1リーグ最少失点数を支えながら、前年度は残留争いに巻き込まれた名古屋を3位に押し上げている。
10月23日はその古巣と、ホーム・パナソニックスタジアム吹田で対戦。「直近の川崎フロンターレ戦を悔しい引き分けに終わったので、絶対勝ちたい! 天皇杯を含めて残り試合、全部!」と力を込めた。
(取材・文:高村美砂)
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