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Jリーグ 1か月前

清水エスパルス、乾貴士は憤りと情けなさを感じている。「昨季から何も変わって…」なぜ悪夢の逆転負けが起きたのか【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

思い起こされた昨シーズンのあの試合…

「このクラブを小さな頃からずっと見てきて、このクラブで育ってきたわれわれのエースでありキャプテン。もちろん本人が一番点を取りたいと思っているだろうし、フィニッシュに持ち込むシーンも数多くある。あとはケチャップと一緒でいつ出るか。

 彼は1週間の準備のなかでしっかりとやるべきことをやっている。彼が日々取り組む姿勢を信頼しているからこそ、何度でも試合で使いたいと思わせてくれる」

 全幅の信頼を寄せてきたエースが試合を動かした。最終節でJ1への自動昇格を、J1昇格プレーオフで昇格そのものを逃した昨シーズンの悔しさを、歓喜の涙へと変える最高のシナリオは直後に破綻した。

 破竹の5連勝をマークして7位につけ、J1昇格プレーオフ進出へ向けてギアをあげる山形の前に、80分、87分と連続ゴールを奪われる悪夢の逆転負け。今シーズン無敗を継続してきたアイスタで、今シーズン初の逆転負けを喫した試合後の挨拶で、乾は選手たちの最後尾でうつろな表情を浮かべていた。

「うーん、自分たちは何をしているんやろうな、と。昨年のこの時期の(ロアッソ)熊本戦も、先制しながら3点を取られていて……何ですかね。昨シーズンとまったく変わっていない、という感じですよね」

 水戸ホーリーホックと引き分けた最終節や、試合終了間際に東京ヴェルディにPKを献上したJ1昇格プレーオフ決勝がクローズアップされる昨シーズン。しかし、ホームにロアッソ熊本を迎えた第40節で、前半に先制しながら3連続失点を奪われ、そのまま敗れた一戦が昇格争いに大きな影を落としていた。

 ホームで逆転負けを喫した展開に、熊本戦を思い起こした乾が自戒の念を込めながら続ける。

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