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Jリーグ 1か月前

ジェフ千葉、田中和樹が「一つ上の選手になる」ための条件とは? 「本当に自分でいいのか」自問自答の先に見えた答え【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

千葉のエンジンに火が点いたきっかけとは

「徐々に相手のビルドアップの上手さも出てディフェンスラインに元々のボランチの選手がいたりするので、彼らのストロングの部分で自分たちが中々、前から行けない、ジリジリと下がらざるを得ない状況がありました」

 後半も相手に持たれる時間が続き、68分に均衡が破れた。右サイドからクロスが上がり、ボックス中央で三平和司がヘディングシュート。これを守護神・鈴木椋大が右手で弾くが、詰めていたアダイウトンに押し込まれる。

 チームとして上手くいかない時間帯が続き、下を向いてもおかしくはない失点でもあったが、同点弾、そして逆転弾が必要になったことで逆にエンジンに火が点き、千葉の選手はギアを上げていく。

 前線に林誠道を入れると[4−2−3−1]から[4−4−2]へと布陣を変えプレスの矢印を前向きにし、ショートカウンターを繰り出すシーンを増やす。

 すると76分、敵陣でルーズボールの跳ね返りを拾った品田愛斗が前線にシュート性のパスを供給。それを横山暁之が右足ダイレクトで合わせゴールネットを揺らした。

 エンジン全開となった千葉は、さらに勢いを加速させていく。この試合のピッチに最後まで立ち続け、チームを勝利に導いた一人が田中和樹だった。86分、セカンドボールを回収し、二次・三次攻撃を続ける中で小森飛絢がドリブルで運び、ペナルティーエリア内の左からクロスを上げる。

 逆サイドで林が相手選手を体でブロックしスペースを作ると田中がドンピシャのタイミングで強烈ボレー。左足から放たれたボールはネットに突き刺さり、千葉が逆転し2−1のまま逃げ切りに成功した。

「良いボールが来て、自分の前で(林)ミチくんがブロックしてくれたので振り抜いた感じです。トラップは1ミリも考えてなかったですし、シュートを打とうという気持でした」

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