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【リバプール分析コラム】中盤の“第4の選択肢”は遠藤航ではない。スロット体制で新たなキーマンになり得る選手とは

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

与えられたタスク以上の仕事を披露

 ジョーンズは今シーズンの開幕前にアメリカで行われたマンチェスター・ユナイテッドとのプレシーズンマッチ後に「僕はボックス内に入ってゴールを奪うことができるし、ユナイテッド戦でのゴールはタイミングが完璧だった。深い位置でもプレーできるけど、高い位置でもプレーできるよ」と振り返っていた。

 自らが語ったこの“特長”を、今節チェルシー戦でも示した。クロスを上げる位置こそ違ったが、チェルシー戦でも右サイドからのボールに対してボックス内に飛び込んでゴールを決めたのだ。

 それもオフサイドポジションにいたダルウィン・ヌニェスがいたことによって足が止まったチェルシーの守備陣の隙を突いたアクションで、同点に追いつかれた直後の51分に試合を決める勝ち越しゴールを奪ってみせた。

 29分に決まったサラーのPKもボックス内でプレーしたジョーンズが獲得したもので、シーズン開幕前に「深い位置でもプレーできるけど、高い位置でもプレーできる」と、宣言した通りの活躍だった。

 この台頭によってジョーンズはスロット監督の中で、中盤の「第4の選択肢」になっており、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)との過密日程が続く中でクオリティを落とさないための重要な存在となるだろう。

 次なるミッションは、今季ウェストハムとのリーグカップ以外の全試合(代表戦も含む)で先発出場を飾っているフラーフェンベルフの代役を務めることができるかどうかだ。

 仮に彼がオランダ代表MFの穴を埋めることができるとなれば、チェルシー戦でも出番がなかった日本代表MF遠藤航の立場はさらに厳しいものになる。タイプとしては狭いスペースでのボールコントロールやターンを得意としているジョーンズの方が、指揮官がアンカーに求める能力にマッチしていると言わざるを得ないだろう。

(文:安洋一郎)

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