一瞬の隙から失点も、「切り替えるだけだった」
「(谷口)栄斗からパスもらって、ターンできそうで。ちょっと時間がある中で、(左斜め後ろの)ヒジくん(翁長聖)にも落とせるみたいな。そのときの自分は何かちょっと判断に躊躇していたというか。ああいうタイミングって相手が狙いやすいので、もっと簡単にプレーしてもよかったかなという感覚です」
1つのミスによりチームの良い流れをビハインドゲームにしてしまったのは、紛れもなく齋藤の責任だ。しかし、前半の残り時間、さらに後半と十分に同点、逆転の時間は残されている。今シーズンのヴェルディは3-0から追い付いたアウェイの鹿島アントラーズ戦を筆頭に、こうしたゲーム展開から何度も勝ち点をものにしてきた。その立役者の一人が齋藤だ。
「あのミスの後もやっぱり、それによって(チームの)プレーを悪くしてしまったら、より迷惑かけるだけだと思いますし、チームメートも”ここからだぞ”って意思表示してたので。本当に勝つためにやるだけだったし、切り替えるだけだった」
そう語る齋藤は後半、待望の同点ゴールに繋がる働きを見せた。58分にヴェルディは背番号「8」を起点に、交代出場のFW山見大登がゴール前に浮き球のパスを送り、シャドーから飛び出したMF見木友哉が合わせに行くところを、相手の右サイドバック石原広教にクリアされて、コーナーキックを獲得する。