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Jリーグ 1か月前

アルビレックス新潟、長倉幹樹が自らに課す課題と危機感。“そういう判断“ができないと「すぐベンチになってしまう」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

「点を取れる選手はそういう判断がいい」

 この試合はスタートから2トップを組んでいた小野がアクシデントで、前半終わりにMF長谷川元希と交代し、4−4−2から4−2−3−1にシフトチェンジして、前半の残り時間と後半を戦うことになった。

 松橋監督は、特にそれによる戦術的な変化は指示していないと言う。1トップになった長倉も「2人の選手とも試合でコンビというか、一緒になることは多いので、特にプレーを変えたとは自分では思っていない」と振り返る。

 ただ、二列目に右の太田、中央の長谷川、左の小見洋太と前向きにチャンスを作り出せる攻撃的なMFが三枚揃った布陣で、長倉の得点に対する期待感はさらに高まっていた。

 さらに、後半途中から右にダニーロ・ゴメス、左に奥村仁とフレッシュなアタッカーが投入されて、新潟の攻撃の勢いは増していた。強力な外国人FWを揃えるマリノスのカウンターを後ろで防ぎながら、なんとか勝ち点3を取りに行く姿勢は見られたが、最後は相手の粘り強い守備を打ち負かすことはできなかった。

 後半アディショナルタイムには右サイドでダニーロと途中出場のボランチ星雄次が絡み、右ワイドでボールを受けた長谷川がボックス右に潜り込んで、絶好のクロスをゴール前に上げた。

 長倉はファーから合わせようとするが、右サイドバックの松原健による懸命のスクリーンとクリアに阻まれて、最後の最後で勝利のヒーローになることはできなかった。

「いつも結果論というか…前に入れればなとかあるんですけど。点を取れる選手はそういう判断がいいと思うので。反省して、次に点を取れるようにやっていきたい」

 そう語る長倉だが、小野のアクシデントがあったとはいえ、攻撃的なポジションの選手が次々と交代する中で、一人残って90分使われるというのは松橋監督の信頼の証でもあるだろう。それは守備面での貢献にも表れている。
 

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