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セリエA 1か月前

「限界はない」マルディーニ家はイタリア代表と共に生き続ける。ダニエルに託された3世代の夢と壮大なロマン【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

デビュー戦で見せた圧巻のプレーとは?

 10月10日にローマのスタディオ・オリンピコで行われたネーションズリーグ・グループA2の第3戦、ベルギー代表戦では出場機会こそ得られなかったものの、試合前にはベンチからメンバーと共にイタリア国歌を熱唱した。

 胸を打つシーンは、14日の同第4戦、スタディオ・フリウリで行われたイスラエル代表戦で訪れた。3-1でイタリアがリードしていた74分、ジャコモ・ラスパドーリに代わってピッチに立つ。このウディネーゼの地は、奇しくも父パオロが1985年1月20日に16歳でミランの一員としてプロデビューを飾った場所でもある。そのパオロと、母アドリアーナ、そして5歳年上の兄で昨年現役引退を決断したクリスティアンがスタンドから見守る中、11番を背負い堂々のアッズーリ・デビューを果たした。

 78分には、サンドロ・トナーリとのパス交換で左サイドを駆け上がると、敵陣深くで、相手の股下を通すパスを、小さなスペースに走り込んだデスティニー・ウドジェに送る。この瞬間、後方にいたトナーリが、頭上で拍手をするほどの技ありのパスだった。

 ウドジェのクロスのこぼれ球を、この試合で主将を務めたジョバンニ・ディ・ロレンツォが右足でシュートを突き刺し追加点。デビューからわずか4分で、4点目の起点となる仕事を成し遂げた。

 4-1での勝利に短い時間ながら貢献したダニエルは試合後にRaiのインタビューに答え「とても興奮している。このデビューを家族、友人たち、そして、自分を愛してくれている人たちに捧げる」と笑みをこぼして述べると、「僕らはよく耐えて、この試合を自分たちのものにすることができた。代表チームに何をもたらしたいかって? クオリティーを少しでももたらしたいけど、このチームにはすでに十分なぐらいある。ただ、自分の役割を果たせるように努力したい」と代表での今後の豊富を語った。

 そして、父のパオロは、「私のプロとしてのキャリアはここウディネで始まった。ここに戻ってこれて、とても嬉しく思う。父親としてこのような興奮を体験できるのは、自分がプレーしていた頃の興奮よりもとても大きなものだ」と息子の代表デビューに心を強く揺さぶられたことを明かした。

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