ヴァウドが発案した“恒例行事”
「まずはすべての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。チームメイト、スタッフ、このスタジアムに関わったすべての人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。自分はオペ(手術)をしたんですけども、仲間のおかげもあって自分も日々練習を頑張って、チャンスをつかむことができて、ここに立てて非常に嬉しく思っています」
その挨拶に、ファン・サポーターから大きな拍手が送られた。明らかに、これまでの苦労と活躍を労う気持ちが込められていた。
「今までに何を頑張ってきたのか、何が起きたのかが頭によぎって思わず泣いてしまいました。今まで頑張ってきたことが、ゴールも決められてみんなでここで勝てたことにつながっているので」
試合後そう明かすとともに、復帰まで常に気にかけてくれた家族やメディカルスタッフへの感謝を口にした。
彼は周囲の人々を大事に思い、常日頃から感謝を口にする。もちろん、ファン・サポーターもその対象だ。
定期的に実施される公開練習では、全体練習開始前に選手・スタッフが一列に並び、選手1人が代表してファン・サポーターに挨拶をする。今年7月に始まり今では恒例となったこの行事も、ヴァウドが発案したものだった。
「サポーターはわざわざ自分の家から自分たちを見に来てくれています。サポーターを大事にするという意味で、何かつながりがあった方がいいと思う。自分たちのことをサポートしてくれ、支えてくれているので提案しました」
大分戦の勝利でがっちりと3位をキープした長崎だが、自動昇格の可能性はごくわずかだ。現実的な目標は、残り4試合で現在の順位を維持すること。そして、J1昇格プレーオフをピースタで戦い2017シーズン以来の昇格を達成すること。
「まずこの4試合のことを考えなきゃいけない。この4試合を、僕はプレーオフに向けての準備だと考えています。この4試合を良い感じで終わらせることができれば、プレーオフも自然と勝てると思っています」
そのためには日々の練習を大切にすること。周りの人をリスペクトすること。そうやってリーグ戦での出場機会を得たように、これからも最高の準備を続けていく。
(取材・文:椎葉洋平)
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