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サッカー日本代表がW杯ベスト8を目指すなら…。ドローで見えた課題。いま唯一足りていないものとは?【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

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15日夜、サッカー日本代表は2026年FIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア代表戦を埼玉スタジアム2002で迎え、1−1の引き分けに終わった。4連勝とはならなかったものの、豪華な攻撃陣の選手交代で再三チャンスを作っていた。それでも勝ち切れなかった要因とは何だったのだろうか。(文:西部謙司)

▽著者プロフィール:西部謙司

1962年9月27日生まれ、東京都出身。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、WEBスポーツナビゲションでは「犬の生活」を連載中。サッカーダイジェスト、フットボリスタなどにコラムを執筆中。『ちょいテク 超一流プレーヤーから学ぶちょっとスペシャルなワザ』監修(カンゼン)、「サッカー右翼サッカー左翼」(カンゼン、)近著に『戦術リストランテⅣ』(ソル・メディア)、「ゴールへのルート」(Gakken) 、共著の『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』(マイナビ)、『FCバルセロナ』(ちくま新書)がある。

まるで恐さのないオーストラリアの攻撃。しかし…

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【写真:Getty Images】

 勝つべき試合を引き分けたという印象だ。オーストラリア代表のシュートは枠外のわずか1本。日本代表の攻勢が続き、相手はひたすら引いて守る展開は中国代表、バーレーン代表との2試合とほぼ同じである。ただ、大勝だった2試合とは違い、オウンゴールによる1得点にとどまった。

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 体調不良の遠藤航に代わって田中碧。右シャドーに久保建英が先発したのがサウジアラビア代表戦との変更点。超攻撃的3−4−2−1システムは継続。

 オーストラリアも同じシステム。前線から数を合わせて守るが、そこは想定していたようで守田英正が下がって数的優位を確保する。一方、オーストラリアは全くといっていいくらいビルドアップができない。ほぼワンサイドゲームとなった要因だ。

 トップにロングボールを蹴って、セカンドボールを拾う。オーストラリアの攻撃プランは明白だった。アジアカップでイラン代表が示した有効な対日本の攻略法だが、ロングボールを蹴る位置があまりにも低かった。

 ボールを前進させられず、GKかDFが自陣深くから蹴るのでボールの落下点はハーフウェイラインを越える程度。ゴールまでは40~50mもあり、ここで競り落としても日本の脅威にはならない。

 しかも、全体が引いている状態のまま蹴り出すのでセカンドボールも拾えない。日本は難なくボールを回収して攻め直すことができた。

 だが、まるで恐さのない攻撃とは対照的に、オーストラリアの守備は固かった。

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