いまだに存在し続ける問題
選手たちが言うように、先制されたところから勝ち点1を得たという結果を悲観する必要がないが、そのプロセス自体は大いに改善の余地がある。それも、初めて露呈したような問題ならまだしも、アジアカップ以前によく見られたような形だったことが問題だ。
ビルドアップの出口を見つけられず、ドツボにはまっていく姿は何度見た姿だろうか。後半の交代はベンチ主導の改善策として一定の機能性を見せたが、そこまでの修正はピッチ上の選手たちに丸投げ状態にも見えた。
「正直なところ、もっとアドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこういうことを徹底しようとか、もっと欲しいですね」
アジアカップで敗退後に残した守田の言葉だ。当時も今も、ベンチから指示がないわけではない。ただ、困ったときに立ち返るべき原理原則がないという問題は、未だ存在し続けているのではないだろうか。
幸いにも傷口は浅い。選手たちが普段プレーしているレベルの高さを考えれば、サウジアラビアのアウェイもそこまで過酷ではなく、最終予選突破も時間の問題だろう。選手たちが見据えるのはワールドカップでの躍進。そこに向けてブラッシュアップしていく作業は、今後も続いていく。
(取材・文:加藤健一)
【関連記事】
英国人が見たオーストラリア戦「やばいですね…」「MVPはオウンゴール!」「遠藤航不在の影響は…」
残念すぎたのは…。日本代表、オーストラリア戦全選手パフォーマンス査定
【順位表】2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選
【了】