ハーフタイムの修正と、中村敬斗&三笘薫の同時起用
「後半の方がやりやすかったかな。スムーズだったかなと思う」と田中は振り返る。後半は守田と田中が左右を入れ替え、守田が町田の左脇に降りる形に変わった。
「(後半は)途中までいい形で薫を押し上げて、高い位置に上げられました」と守田が言うように、三笘が仕掛けられる局面を作ることに成功したが、失点後は相手のブロックがよりコンパクトになったこともあり、日本代表の距離感が再び悪くなっていった。
再び生じた問題を解消したのが、中村敬斗と三笘薫の同時起用だった。三笘をインサイドに置くことは一見して三笘の武器を封じる悪手にも見えたが、三笘が相手の右CBをピン止めするような立ち位置を取ったことで、中村が1対1で仕掛けられるシーンを生み出していた。
左に開いた中村が田中からパスを受けると、一旦は縦に走り抜けた三笘がスクリーンになる形で中村がドリブルするコースを作った。1対1の状況で中村は縦に突破し、タッチライン際から左足で折り返すと、ボールは相手に当たってゴールネットに吸い込まれた。
日本代表の攻撃が最も機能していたのはこの時間帯だった。ただ、そこに至るまでにあまりにも時間がかかり過ぎた。アウェイで勝ち点1でも御の字のオーストラリア代表の牙城を崩すには時間が足らなかった。