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「自分がもっとよくなれば…」サッカー日本代表、田中碧は現状をどう見ている? 先輩2人は「すげえなあ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「『すげえなあ』と感じる部分は多い」

 トニー・ポポヴィッチ監督体制移行後のオーストラリア代表は、日本と同じ3−4−2−1をベースにしている。ミラーゲームということになれば、局面局面のバトルの回数は自ずから増えるはずだ。

「やっぱり5枚並んでいる相手は簡単ではないというのは、自分たちが守備をしていても思うこと。その中でいかにサイドから攻略するかってことが大事。ただ、サイド、サイドと行って中を見せないとサイドも詰まるのでまず中央を攻めることが大事ですし、そこからサイドにスペースを与えていかに勝つかを考えないといけない。

 それと基本的にトランジションがキーになる。押し込んで取られた後もそうですし、基本的にセカンドボールや球際、トランジションからチャンスが生まれると思うので」

 卓越した戦術眼と分析力を誇る田中は冷静にゲームを見据えていたが、確かに攻守の切り替えというのは、今回の最終予選突入後の日本代表が突出している部分だ。

 それを支えてきた鉄板ボランチの一角が不在になる中、田中は同等以上の基準を示さなければならない。それは9月のバーレーン代表戦、10月15日のサウジアラビア代表戦を外から見ていて痛感している点に違いない。

「守田君や航君を見ていて感じますけど、守備のところでボールの取り方がすごい派手な感じじゃないけど、『すげえなあ』と感じる部分は多いし、自分もトライしていかないといけない。

 今はチームでアンカーをやっているので、そういう局面も多いですし、自分の伸びしろとしてすごく楽しみです」と本人も守備強度アップというテーマを掲げていたが、オーストラリア代表戦は今の自分自身を示す絶好のチャンスでもある。

 それを実証し、チームも4連勝できれば理想的。3年前に日本代表を勝たせた男にはそれだけの底力があるはずだ。今こそ、田中という選手の持てる全てをピッチで表現し、控えボランチからの脱却を図ること。そこが彼に託された重要命題と言っていい。

 後ろにはパリ五輪でU-23日本代表のキャプテンを務めた藤田譲瑠チマも控えているし、最終予選突入後は未招集の佐野海舟のような人材もいる。

 さらに言うと、2列目兼務の鎌田大地もいて、ここで田中が何かを残さなければ、このまま出番が増えずに行ってしまう恐れもある。それだけは何としても回避しなければならない。

 埼玉で宿敵相手に躍動する背番号17の雄姿を我々の目に焼き付けてほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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