「もちろん第一にあるのは…」
森保監督にしてみれば、プレミアリーグで実績を残している遠藤、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)での経験を積み重ねる守田に比べ、当時の田中はドイツ2部。「主戦場としている舞台のレベルが違う」という見方もあったのかもしれない。
今夏、前々からの念願が叶ってイングランド・チャンピオンシップ(2部)のリーズへの移籍が実現したものの、9月中は思うように出番を得られなかった。そんな事情も重なって、9月からスタートした今回の最終予選では初戦・中国代表戦の後半26分以降だけの出場にとどまっていたのだろう。
「もちろん第一にあるのは、試合に出られないという悔しさ。代表だろうがチームだろうが、それがあるのは事実。でもこのチームが勝つことが何よりも大事。
現時点で試合に出られないことに対して悔しさはあるものの、チームが勝ってるので、それはすごく大事なことですし、自分がスタートから出ようが途中から出ようが、出られなかろうが、誰かと比べて…という感じで捉えているわけではないので。
個人的には自分がもっとよくなれば、チャンスは増える。自分にしかできないものを出していくことが大事だと思います」と本人も複雑な胸中を吐露していた。
田中の中でも「自分にしかできないものとは何か」…という命題と真摯に向き合い続けていたはずだ。そんな矢先に遠藤が体調不良で14日の練習を欠席。今回のオーストラリア戦欠場が濃厚となった。
自身がA代表で確固たる地位を築いた同じ相手・同じ場所で出番が巡ってくるところは、まさに”持ってる男”。千載一遇のチャンスをモノにするしかないのだ。